ひと月あまりの個展が終りました。搬入時は梅雨に入り今年初めての台風が房州を通過し、農家は田植えを終えたばかり、隣家のおじいちゃんが雨の中、田んぼを見ていたのを思い出します。和楽は少々わかりずらい場所にあり電話の問い合わせをする地元のお客様も多かった。そんな中わざわざ東京から訪ねて来てくださったお客様には驚きました、と同時に深く感謝しました。個展を中心に活動している私にとって多くの人に見ていただくことが一番の喜びになっております。さらに今回は嬉しいことがありました。

個展なかほどのころ、杖をつきながら階段を上り年配の女性が玄関に入ってこられました、右手の棚に目を配り、しばらく立っており、次の間、二の間とゆっくりと見て、’いいものを見せていただきました’と丁寧な挨拶をしてお帰りになりました。その夜、その方からギャラリーに電話があり、’どうしてもあの盛り器が気になってしかたがない、まだ売れてなければ是非欲しい’(写真)年配の女性はお花の先生でした。
次の日、そのことを聞きギャラリーのオーナーと’嬉しいですね’と喜び、感謝しました。作る人、扱う人、使ってくださる人、三者が喜べる、そんな幸せに思える時があるから仕事を続けられます。
搬出の日は梅雨が明け猛暑日、長くて短い個展でした。